矯正治療上の注意事項

Last updated July 3rd 2018

    取り外しできる装置(可撤式装置)

    •  取り外しの装置では、装置を着ける努力が必要です。そして、一日の中で長く使う方が効果が現れやすく、○ 毎日使うからこそ効果が出ます(使ったり使わなかったりでは効果がありません)。装置によっては就寝時に効果を期待する物もありますが、日中する場合には状況に応じて装置をはずしたり着けたりすることがありますのでやや面倒です(給食、体育、音楽の授業など、あるいは、会談するときなど)が、使い続けると慣れてくるようです。
    •  装置の手入れはとても大事です。歯みがきする時に装置をブラシで洗ってください。しかし、× お湯で洗ったり、× 漂白剤や、× アルコール系の消毒液に浸けたりしないでください。また、× 直射日光が当たるとか、× 熱くなる所を避けて保存してください。
    •  また、大切にしていても装置は壊れることがあります。もし、装置が壊れたり変形したらすぐに修理した方が良いのでご連絡ください。変形したまま我慢して使ってはいけません。
    •  装置が欠けたり、変形したり、その他不具合がありましたらすぐにご連絡ください。

    取り外せない装置(固定式装置)

    •  ブラケット装置や舌側弧線装置などの固定式の装置では違和感がつきものです。治療を開始して間もないときは、会話では電話などでは聞き取りにくいと言われることもあるようです。また、食事の時に舌が触れながら飲み込むので簡単ではありません。装着した違和感には慣れるしかありませんが、およそ、1週間ぐらいで慣れるのが普通です。また、食事をすると、装置の周りに食べカスが引っかかっていますので、○ 毎食後の歯磨きが大切です。汚れが残っていると虫歯のリスクが高くなりますので、毎日の努力が重要です。もちろん、診察したときには歯磨きのチェックをして、歯石や着色などは取り除きますが、基本的に重要なことは毎日のケアですので、頑張ってください。
    •  治療中に虫歯が見つかったときには治療を紹介します。かかりつけの歯科医院などを受診してください。
    •  固定式装置でもゴムなど着けはずしの○ 装置の使用協力を要するときがありますので、良い効果が出るように指示を守りましょう。
    •  抜歯するか非抜歯で矯正治療するかは、歯の大きさの総和と顎の大きさとの比較し、前歯を下げる量などを予測してどの歯を抜くか提案しますが、ご希望にも配慮して方針が決まります。歯の数が少なくなることは噛み合わせに良くないようにも思えますが、上下が不揃いで噛み合わせが悪かったときに比べると噛む効率は上がっていると言えます。また、抜歯はかかりつけの歯科医院などにお願いしていますので、その時の注意事項を守っていただくことが大切です。
    •  あるいは、歯を抜かずに歯の側面を少し削って治療することもあります。
    •  装置は接着剤で歯に接着していますので、かたい物を噛んだり、弾力性のある物を噛むとはずれたり、ワイヤが曲がったりすることがありますが、すぐにご連絡ください。
    •  装置が見えることを気にする人が多いようですが、本人は気にしているものの周囲の人はそれほど注視しているわけではありませんので、輝麗になるために努力していることを納得しましょう。むしろ、自分のために良いことをしているのです。なお、ブラケット装置は前歯部ではセラミック製を利用していますので歯の色に近く目立ちにくいようです。

    歯の痛みについて

    •  矯正治療は痛みを伴うものです。これは、歯が動くとき、骨に埋まった歯根が押されるので痛みを感じるためです。しかし、当たっている部分の骨は2〜3日かけて徐々に溶けて緩くなり、痛みが消えるものです。それで、装置を調整した2〜3日は堅いものをさけて、大きいものは小さく刻んでから食べる工夫が必要です。その後、痛みが引けば支障は無くなりますので安心してください。なお、始めて装置を着けたときは予想がつかないことでしょうから、寝る前に痛み止め(日頃飲んだことのある市販の鎮痛剤で十分です)を飲むと、痛みがなくすっきりと眠れるようです。
    •  治療期間中は、装置が頬や歯茎、舌などに当たって口内炎褥瘡(じょくそう)ができることもあります。これは装置が壊れたり、ずれたり、変形していることもありますのでご連絡ください。

    治療経過について

    •  治療中は適宜、写真を撮ったりレントゲン写真を撮影したりして、定期的(約6ヵ月〜1年毎)に治療経過を説明し、経過報告書を提供します。
    •  治療途中で治療方針などについて再相談を希望される方もあります。ご希望通りにはかなわないこともありますが、ご意見やご要望はいつでもお申し出ください。
    •  期待された効果が出ないときや歯が予想どおりに動かないときには治療方針を変更することがあります。また、治療期間は目標であり、およその目安なので、治療途中で予定通り進んでいるか確かめ合うことが必要です。不安な点や、気になることはいつでも相談してください。

    経過観察・保定について

    •  装置を除去したらすべて終わりではありません。矯正治療後は歯列が安定するまで定期観察が必要で、歯ならびを維持する装置に切り替えます。装置には取り外しの床装置のこともあれば、ワイヤを接着して固定することもります。取り外しの保定床装置は使用方法をよく理解してご協力ください。また、ワイヤ固定の場合には変形、脱離、歯石について定期的にチェックををしていきます。
    •  治療終了時の検査は特に大切です。治療前との比較としてだけでなく、治療後の後戻りや変化を見るときの基準となるものですので、忘れずに検査を受けてください。
    •  なお、治療後の定期観察中に少し歯が動いたりして再治療を希望される場合はお申し出ください。